役員の法令試験と運行管理者資格試験

(1)運行管理者資格試験
人の要件でも説明したとおり、事業用自動車の数に合わせた運行管理者を確保又は確保予定であることが必要です。
運行管理者になるには、5年以上の実務経験及び5回以上の自動車事故対策機構の講習を受講する以外には、運行管理者試験に合格するしかありません。
多くの場合は、この試験を受験することになります。
受験するには、前提として、実務経験1年以上の経験があるか、国土交通大臣が認定する講習実施機関で基礎講習を終了することが必要です。

 

運行管理者試験対策は、ハッキリ言って、市販の「運行管理者試験」の過去問集を何回か回転させるしかないと思います。(相談にはのります)
勉強方法は、勿論、個人の知識、能力にもよりますが、自分の経験では、1~2回転では危険、3回転で合格レベルに突入、安心感を得るには5回転必要だと思います。(回転数が増えるほどスピードが上がります)
勉強時間は、自分の経験では、毎日2~3時間最低約2カ月間は必要ではないかと。とにかく、絶対に油断禁物です!

 

(2)役員法令試験
運送業許可を取得するには、役員が法令試験に合格しなければなりません。
チャンスは2回です。一度失敗しても、1回は再トライができますが、2回とも失敗した場合は、申請そのものの取り下げとなり、申請のやり直しをすることになります。
絶対に落ちるわけにはいかないので、かなりのプレッシャーを受けます。
この試験には、市販のテキスト過去問はありません。当事務所では、、関東運輸局の試験の対策を徹底的に行います。

 

 

 

 

 

 

役員法令試験対策のプロローグ

(1)試験概略
①運送業許可の申請書が受理された後、試験日の約2週間前いに通知が郵送されます。
②複数の常勤役員がいても、1回の試験で受験できるのは1人です。
③試験は奇数月に行われ、奇数月に受理された場合は翌々月の奇数月前半、偶数月に受理された場合は翌月後半が試験日です。

 

(2)試験内容
①試験時間は50分、問題は30問、ほぼ○✖式、合格条件は、正解24問以上です。
④試験当日に関係法令がのった条文集を配布され、試験中、条文で確認することができます。

役員法令試験について

(1)試験範囲 【合計30問中、合格は24点以上】

 

【貨物自動車運送事業法】 約5問
【貨物自動車運送事業法施行規則】 約2問
【貨物自動車運送事業輸送安全規則】 約6問
【貨物自動車運送事業報告規則】 約1問
【自動車事故報告規則】 約2問
【道路運送車両法】 約3問
【道路運送法】 約1問
【道路交通法】 約3問
【労働基準法】 約2問
【自動車運転者の労働時間等の改善のための基準】 約1問
【労働安全衛生法】 約2問
【私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律】 約1問
【下請代金支払遅延等防止法】 約1問

 

(2)当方のトライと自己分析
①当方自身で、令和3年5月から令和4年7月までの問題を、「制限時間は10分間、予習無し、条文は一切見ない」 という条件で、実際にトライしてみました。
恥ずかしながら、その結果を示します。(関東運輸局)

 

試験日     試験合格率   自分の結果(30問中)
令和3年 5月  75%      24問
令和3年 7月  57%      15問
令和3年 9月  48%      17問
令和3年11月  64%      20問
令和4年 1月  67%      21問
令和4年 3月  59%      17問
令和4年 5月  75%      26問
令和4年 7月  67%      24問
令和4年11月  69%      19問

 

②上記結果から、自己分析を行いました。
・合格率と結果は、ほぼ比例するが、合格率、つまり難易度は毎回異なる印象。
なめたらダメ、ひっかけポイントの「数字と文言」の暗記があやふやだとミスる。
・試験では、不安箇所(ひっかけポイント)に下線を引き、残った時間に「条文」で調べることが必要。
・ただし、全問調べる時間は無い。記憶で確実に解答できる問題を、半分は確保したい。
・本番では「条文」をチェックする時間の有効な使い方が重要。

 

役員法令試験対策

理想的な試験の使い方:モデルケース 【実際には個人差があるので、個人により対策の相談をします】

 

(1)試験時間 50分間 30問
①15分間で、一通り終える
 (別途テキストと過去問題で勉強を行えば時間的には問題ありません)
 ・この時点で、条文での確認が不要の問いを50%以上確保
 ・確認が必要な問いについては、確認すべき箇所に下線を引く
②30分間で、確認箇所を条文で確認
 ・不明点、自信がない箇所(文言・数字)を条文で確認し、確実にする。
③5分間 見直しと予備時間

 

(2)ポイント
①問題文を読んだときに、論点(ひっかけポイント)を即座に見抜くことが必要なので、過去問分析で傾向と対策を行います。
②条文がとても見難いため、検索方法、条文の慣れが必要なので、見方、検索の仕方の対策を行います。
③条文で確認する必要のない正解を最初に50%以上確保し、条文検索をする時間を残しつつ、如何に短い時間でその確認ができるか重要です。
④最近の令和4年11月では、明らかに貨物自動車運送事業法(6問)と貨物自動車運送事業輸送安全規則(7問)にシフトしていることに注目すべき。

 

当事務所では、テキストを準備し、過去問とともに対策を行います。

 

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