合同会社
合同会社設立
個人企業の起業、法人化の場合、合同会社の検討をお勧めしたいケースが意外にあります。
知名度、信用度等においては、勿論、株式会社より劣りますし、業態や方向性を考慮し、株式会社の方が適しているケースもありますが、合同会社は、コストや機能面で魅力があり、検討の価値は十分あります。ご一緒に相談させていただきたいと思います。最終的には、メリットデメリットをご検討の上、お客様の考え方次第になります。
1.合同会社とは?
有名な会社としては、アップルジャパン合同会社、合同会社西友、ユニバーサルミュージック合同会社、P&Gプレステージ合同会社、日本ケロッグ株式会社などがあります。
株式会社同様に、出資金額を限度とする間接有限責任の会社ですが、株式会社よりコスト面(設立、維持)や迅速で機能面に優れた会社です。
合同会社の設立においては、機能面が優れているがゆえに、特に定款の最適化が重要です。
2.メリットデメリット
(1)メリット
①設立コスト: 定款の認証が不要(株式会社は5万円)、設立登記の登録免許税は6万円(株式会社は最低15万円)であり、設立費用が最も安い。
②設立手続: 出資金の銀行振込、現物出資の検査役による検査は不要であり、最も迅速に設立が可能。
③意思決定の早さ、企業としての機能性:株主総会、取締役、取締役会、監査役、監査役会がないので、素早い事業判断が可能であり、維持費用も安い。
④決算公告義務がない。(個人会社にとっては結構面倒)
(2)デメリット
①知名度の低さ
②信用度の低さ(イメージによる影響)
設立続き
1.会社の概要について
(1)商号(会社名)
①会社名で使う文字:漢字(日本語)、ひらがな、カタカナ、英語の確認
法務省 商号について
②類似商号には注意が必要です。新会社法では類似商号の規則は事実上撤廃され、「同一の住所で同じ商号の使用が出来ない。」という内容に緩和されましたが、同じ市町村で同じような業種の場合、トラブルが発生する可能性があり、避けた方が良いです。商号の登記状況を法務局で調査できるので、ご相談ください。
(2)事業目的
ポイント
①適法であること。
②営利性があること。
③具体的かつ明確であること。
とはいえ、記載に無い場合、定款修正が必要(追加料金)なので、出来るだけ書くことが望ましいが、具体性のないことは書くべきではない。
下記3の文言を使うのは有効というかほぼ必須。
例
・化粧品、医学部外品、衣料品、日用品雑貨、食料品、園芸植物の製造
・化粧品、医学部外品、食料品、日用品雑貨、食料品、園芸植物の輸出入ならびに販売
3前各号に附帯する一切の事業
(3)資本金の額
(4)会社の本店の所在場所
自宅マンションを使う場合、マンションの管理規約で営業活動が出来ないケースが意外に多くあります。マンション管理規約、管理会社等へ必ず確認してください。また、賃貸住宅の場合も同様です。賃貸借契約書を確認してください。
(5)社員の構成(社員の氏名または名称および住所)
(6)社員の全部が有限責任社員であること。
(7)社員の出資の目的およびその価額または評価の標準
(8)代表社員選定(オーナー社長の場合は定款に定めるのが一般的、会社法599条3項では「定款又は定款の定めに基づく社員の互選」としている)
2.上記1の内容を慎重に検討し、業務執行社員の過半数の一致により決定
3.定款作成
4.出資の履行
合同会社の社員になるものは、定款の作成後、設立の登記の前までに、出資に係る金銭の全額を払い込む。(原則)
5.職務執行者の選任
6.設立登記の申請